イカの王様/アオリイカ

しずおか四季の魚

■主要産地/沼津市、伊豆半島
■漁獲時期/6月~8月
■漁獲方法/あおりいかしば漬け網漁業、定置網漁業

 水産物は、刺身、寿司、焼物、煮物、揚物、乾物、発酵食品と色々な顔で食卓を彩りますが、イカはどんな食べ方でも美味しい食材です。そんなイカの中で、大きさや厚み、味の良さから、「イカの王様」とも呼ばれる種がアオリイカです。

 アオリイカは北海道南部以南の日本沿岸に分布し、本県では伊豆半島や沼津に主要な漁場があり、釣り場としても有名です。成長は早く、夏に生まれた子どもは秋には200~300g程度の漁獲サイズとなり、翌年の春には2㎏近くにも成長した産卵前の大型のものが漁獲されます。沿岸に生息し、岸壁からも釣れるため釣り人にも人気があります。海の中を漂う様子が、「障泥※」のようであることが、名前の由来と言われています。

 漁獲直後の身は弾力があるので、ラップ等で包み冷蔵庫で少し寝かせると、ねっとりとした食感を楽しめます。大きいものは肉厚で旨味があり、胴体は刺身に向いています。刺身にする時は、皮を剥ぐと美味しく食べられます。ゲソやヒレは天ぷらやバター炒めなどに向いていますが、ゲソの吸盤には硬い角質層があって口当たりが悪いため、吸盤を取り除くとより食べやすくなります。

 イカはタウリンやグリシン、アルギニン、ビタミンE等の栄養が豊富で、高タンパク・低脂質・低カロリーな食材です。よく噛む必要があることから早食い防止となりダイエットにも良いとされます。注意点として、噛み切りにくいことから、お子さんが食べる際には小さめにカットするのが良いでしょう。

その1:イカの鮮度を見分けよう
  皆さん、イカと言えば白色を連想されるかと思います。実際のイカは色素胞という細胞を持ち、生きている間は、この色素胞の大きさを変化させることで褐色・薄赤色・白色など体色を様々に変化させます。鮮度の良いイカは色素胞が生きているため、透明感があり、体表に刺激を与えると体色が少し変化します。ただ、死後硬直が進むと、この透明感や変化を失い、最後は乳白色になります。

鮮度の良いイカ
乳白色になったイカ

その2:イカの種類を見分けよう
 イカに骨はありませんが、甲と呼ばれる骨のような器官があります。甲はイカの先祖が持っていた貝殻の名残とされ、甲の形状でイカの種類を見分けられます。透明でプラスチックのような軟甲を持つ種が「ツツイカ目」で、石灰質を含む白くて硬い甲を持つ種が「コウイカ目」です。ちなみに、アオリイカは、外見はコウイカ目に似ていますが、軟甲を持つためツツイカ目です。

コウイカ(コウイカ目)
ヤリイカ(ツツイカ目)

※内容は2025年7月10日時点の情報です。

静岡県経済産業部水産・海洋局水産振興課
静岡市葵区追手町9-6 ☎054-221-2744


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