鉄から土へ、土から実れ。想いが育むみんなの居場所/おわせむかい農園

みえ畑
尾鷲市・左から 笠松千恵子さん、岡 文彦さん、森田曜光さん

 岡さんと笠松さんはかつて尾鷲市にあった火力発電所の関連企業の社長と従業員だった。7年前、発電所の撤退を受けて会社は解散の危機に直面。なんとか継続させたいと同じ方向を向いたわずかなメンバーでスタートさせたのが、おわせむかい農園だ。「鉄から土へ」を合言葉に事業転換し、過疎が進む尾鷲に人の流れを生み出そうと観光農園を立ち上げた。

 就農当初から続けているブルーベリー栽培は現在約30種を育てるまでに成長した。みずみずしく爽やか甘味を求め、毎年ブルーベリー狩りのシーズンには多くの観光客が訪れる。農薬や化学肥料を一切使わない栽培方法を採用するのは地域を思えばこそ。「尾鷲は海と山が近いので、土壌の肥料はやがて海に流れ着きます。尾鷲の海を守るためにもできることをやっていきたい」と笠松さん。

放し飼いされている鶏。地域の子どもたちと一緒に孵化させたヒヨコも成長中!

 ひたむきに活動を続けるうちに、想いに共鳴する人や地域の人々から声がかかり、いつしか幾重にも輪が広がっていった。「地域の人や、先輩、助けてくれる人がたくさんいるからここまでこれた。ひとりではとてもできなかった」と代表の岡さん。畑には今日もお年寄りから子どもまで様々な声と声がこだまする。

 四季折々の農業体験ができるのもおわせむかい農園の大きな魅力。ブルーベリー狩りやトウモロコシ狩り、田植え体験やお餅つきなど、1年を通してバラエティ豊かなアクティビティがたくさん。

 農園が営むキャンプ場「ミノレ」では宿泊と農業体験が一緒になったプランも。夏休みの思い出作りに検討してみては?

▼ここで買えます・食べられます

おわせむかい農園
尾鷲市南浦 向井空谷4488-1
☎080-9552-1155(0597-23-1230)
※ブルーベリー狩り、農業体験の詳細はWebで。
https://owasemukaifarm.com

※内容は2025年7月10日時点の情報です。

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