戸田でしか育たない野菜を。地元に愛される港町の農園/実季楽農園

しず畑
沼津市戸田・長崎俊亮さん、紗代さん

 世界最大の甲殻類タカアシガニで知られる沼津市戸田地区。深海とともに生きる港町で、地域に根差した農業を営むのが実季楽(みきらく)農園の長崎俊亮さんだ。

紫の花の草「ホトケノザ」が畑に広がるのは土が豊かな証し

 神奈川県出身の長崎さんは、兼業農家だった祖父の畑を手伝いながら育った。「緑に関わりたい」と新卒で建設会社に入社。配属された北海道で雪が降りしきる中、ダムの施工管理業務を担当した。暗く閉鎖的な現場や山を切り崩す仕事に「これが本当にやりたいことなのか」と疑問を抱くように。大好きな農業とレストランの世界に入りたいと決意し、横浜のレストランや富士宮の農家で修行を積んだ。

 「海が好き」という理由から各地の海沿いの地域を自転車で回り、戸田を移住先に決めた。決め手は人びとの温かい人柄だった。この春で移住から10年目に入る。これまで地元のおじいちゃんおばあちゃんから大切なことをたくさん教わってきた。今では「近くを歩いてるおばあちゃんたちが野菜の袋詰めを手伝ってくれるんです」(紗代さん)というほど地域から愛さる存在になった実季楽農園。農薬と化学肥料は使わない。戸田の土と太陽のもと、野菜たちはのびのび育っている。いつか海沿いにレストランを開くのが夢だそうだ。

「2歳の娘は自分で収穫するとよく食べます」と長崎さん。

 長崎さんが目指すのは戸田地域でしか育たない野菜づくり。ここにしかないもので栄養満点の土を作る。粉砕したタカアシガニの殻や戸田塩を煮炊きしたときに出る灰を土に混ぜ、キャンプ場の落ち葉を腐葉土に。畑では環境の多様性を助ける存在として雑草も活躍している。固い休耕田を柔らかい土の畑にするまで5年の歳月を費やした。6年目からようやく手応えが出て、毎年の変化を楽しんでいるそうだ。

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実季楽農園 Instagram (DMから注文可)

※内容は2025年4月10日時点の情報です。

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