■主要産地/田原市、西尾市
■主な漁期/春
私たちにとって最もなじみのある貝といえばアサリではないでしょうか。水温むこれからは、アサリが特に美味しくなる季節です。
愛知県はアサリの一大産地で、その漁獲量は長い間、日本一となっています。しかし、近年のアサリの漁獲量は全国的に減少傾向にあり、愛知県も同様で、漁業者は大変な苦労をしているなか、新たな取り組みを開始するなど、前向きな努力を続けています。そのひとつが田原市の渥美漁業協同組合の漁業者が始めた「養殖アサリ」です。

「養殖アサリ」は、12月頃に海でとれたアサリをカゴに入れ、餌や海流等が成育に好条件な海中に吊るすことにより、短期間で質の良いアサリに仕立てることで、付加価値向上につながります。また、天然アサリと違って、砂のないカゴの中で育成するため、砂出しの必要がなく、安心して食べられます。


こうして養殖したアサリのうち、大きさ3.5㎝以上のものが「渥美垂下あさり」として地元田原市の「渥美半島たはらブランド」に認定され、さらにはふるさと納税の返礼品にもなっています。

もちろん、三河湾の天然アサリも最高に美味しいですが、漁業者はこうした新たな取り組みを行い、皆さんの食卓にたくさんのアサリを届けられるように頑張っています。今が旬を迎える養殖アサリ、そのプリプリで濃厚な身を味わってください。


その1:アサリの「身入り」とは
アサリは初春に産卵期を迎えることから、この季節は産卵に備えて栄養を蓄え、身が太ってきます。このことを「身入り」が良くなるといいます。
少し難しくなりますが、身入りの良し悪しを判定するには肥満度という指標が用いられます。私たちが健康診断で耳にする肥満度と考え方は同じです。人の肥満度は数値が高いほど体の状態が良いとは言えませんが、逆にアサリの場合は数値が高ければ高いほど、「身入り」が良い、美味しいアサリということになります。

※内容は2025年4月10日時点の情報です。
愛知県農業水産局水産課
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