冬を彩る高級魚/トラフグ

みえ四季の魚

■漁獲時期/主に10月~2月
■主な漁法/延縄、定置網、底曳き網など
■主な産地/鳥羽市、志摩市、熊野市など

 寒さが厳しくなる冬ならではの魚といえば、何が思い浮かぶでしょうか。テレビのグルメ番組などでは、この時期に豪華なトラフグ料理を見かけることが多くなるかと思います。トラフグは、言わずと知れた高級魚で、淡泊でよく締まった白身と噛むほどに増す強い旨味が特徴です。一方で、内臓などに強力な神経毒があることでもよく知られており、テトロドトキシンと呼ばれるこの毒は、加熱しても分解されず、現在のところ解毒剤もありません。フグの取り扱いには専門の資格が必要となっています。

 県内において、トラフグは、伊勢湾から熊野灘にかけて分布しており、延縄などで漁獲されます。5月頃に、伊勢湾口部で産卵が行われ、孵化後ひと月ほど経った稚魚は、伊勢湾内の砂浜海岸で育ち、エビ、カニといった甲殻類や小魚を食べてすくすく成長します。寿命は10年程度と考えられており、大きいもので80㎝にも達します。

 県内では、種苗放流、小型魚の保護、漁期の制限など、トラフグの資源を守るための取組が進められています。こうした中、志摩地方で水揚げされる700g以上の天然トラフグは、「あのりふぐ」としてブランド化されており、三重ブランド認定品にもなっています。また、漁業者、漁協、観光協会などが一体となって、「あのりふぐ協議会」を設立し、流通を地域内で限定するなど、魚価の向上、観光誘客など地域経済の活性化につながる取組を実施しています。

 旬を迎えるトラフグは、刺身、鍋物、揚げ物など、さまざまな調理法にてその味わいを堪能することができます。一般的に「てっさ」と呼ばれる刺身は、透き通ったきれいな身質とコリコリした食感が楽しめ、鍋物や揚げ物など加熱調理をすると、ホクホクした食感となり、上品で濃厚な旨味が口いっぱいに広がります。ぜひ産地に足を運んでいただき、旬の味覚をご堪能ください。

その1:フグを漢字で書くと…!
 フグは漢字で「河豚」と書きます。中国では、昔からメフグという河川に遡る種類のフグを食用にしていたことと、フグのふくれた様子が豚に似ていることが漢字の語源といわれています。ちなみに、「海豚」はイルカのことだよ!

その2:なぜ薄造り?
 フグの身は、弾力と独特の歯ごたえがあります。刺身で食べる場合は、厚く切りすぎると硬すぎてせっかくの味わいが台無しになるので、お皿が透けるほど薄く切った身をきれいに並べて、見た目と食感を楽しみます!高級魚だから、ケチケチして薄く切っているわけではないんだよ!


※内容は2025年1月10日時点の情報です。

三重県農林水産部水産振興課
津市広明町13番地 ☎059-224-2515


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