■主要産地/蒲郡市、西尾市
■主な漁期/冬~春
■漁獲方法/小型底びき網、沖合底びき網
メヒカリは標準和名を「アオメエソ」と言い、渥美外海などの150~300m程度の深海に生息する魚で、名前のとおり青緑色の大きな目が光って見えます。光の少ない深い海で視認するため、目の網膜の外側に輝板という光を反射する組織があるからで、これに光が当たると目が光って見えることが、その名前の由来です。

愛知県では、メヒカリは底びき網で漁獲され、特に蒲郡市には県内で唯一、深海で漁をする「沖合底びき網」漁船があり、愛知県産メヒカリのほとんどが蒲郡市に水揚げされています。
メヒカリは徐々に人気が高まってきた魚で、魚屋やスーパーで干物などは見かけますが、鮮魚を目にする機会は少ないのではないでしょうか。一方、蒲郡市では「蒲郡メヒカリ」としてPRに力を入れており、産直市場や海産物販売店では鮮魚や加工品が多く販売されています。

メヒカリは白身の魚ですが、淡白なイメージとは違い、程よい甘みのある脂があり、特に脂ののりが良くなる冬から春にかけて美味しい魚です。
皆さんも干物のほか、産地を訪れた際には鮮魚を購入して、塩焼き、唐揚げなどにしてみてはいかがでしょうか。特に唐揚げにすると皮は香ばしく、身はふっくらとしており、骨ごと食べられるため、小さなお子さんのカルシウム補給にはピッタリです。ぜひ、お試しください。

その1:深海ってどのくらい深さ?
一般的に水深200mより深い海を「深海」と呼んでいます。太陽の光が届かなくなるのがこのくらいの深さだからです。このため深海は暗く、水温も低いうえ高い水圧がかかる過酷な環境です。このため生き物はあまり多くないですが、彼らは環境に合わせてたくましく生きています。メヒカリの目が大きいのも暗い海で少ない光をたくさん取り込むためのものです。さらに深い海では完全な暗闇になるため、逆に目が退化してしまった生き物も多くいます。

その2:メヒカリはお腹の内側はなぜ黒い?
メヒカリのお腹の内側には腹膜があり、これが真っ黒な色をしています。一般に「腹黒」という言葉は良い意味では使われませんが、メヒカリの腹黒には意味があります。
メヒカリが棲む深海には、自分の身を守るために発光する生き物がおり、メヒカリがそれらを餌として食べた際、食べられた生物が発する光がお腹から漏れると、今度は自分が食べられてしまうリスクがあります。そのためお腹から光が漏れないように腹膜が黒く進化したのではないかと言われています。この腹膜は他の深海魚でも見られ、それを原料としたちくわやかまぼこの黒色の斑点はその名残となっています。

※内容は2025年1月10日時点の情報です。
愛知県農業水産局水産課
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