尾鷲港・丸友丸定置 代表
この日、少年のようなお茶目な笑顔で出迎えてくれたのは、尾鷲市で定置網漁業を営む岩﨑さん。子どもの頃から親戚の漁業を間近で見て育った根っからの海の男だ。「よく親戚の船に乗せてもらって、イカを食べさせてもらってね。それがもう、楽しみで」と当時を懐かしむ。若い頃、一度は陸の仕事に就いたが、やはり行きつくところは海だった。港の活気と磯の匂いが忘れられず、34歳のときに漁業の道へ。漁師としては遅咲きだが、熱意は誰にも負けていない。

丸友丸定置では、なによりも鮮度命。生きたまま水揚げされたアオリイカはその場で締めると美しく透き通る。活〆されたアオリイカは鮮度がよく、市場でも高値がつくという。丸友丸定置は活〆に加え、墨袋をクリップで止め、さらに温度と塩分濃度を管理した魚槽で運ぶなど、鮮度管理を追求し、高い信頼を得てきた。「獲るだけではだめ。どうしたらもっと美味しく食べてもらえるか、を考えることが大事」と真剣な眼差し。


後継者不足に悩まされる漁師業界だが、丸友丸定置では若い世代も最前線で活躍する。「漁師は楽しい」生き生きとした笑顔で話す岩﨑さんの背中を次の世代が追いかけている。

イカの産卵床
近年、海藻の減少でアオリイカが産卵する場所が減っている。そこで、尾鷲市ではヒノキの間伐材を利用した、アオリイカの人工産卵床を推し進めている。小学校でも産卵床を作り、海に沈める活動を子どもたちと行い、地域の産業を学ぶきっかけに。また、産卵床で産まれた稚イカの観察や、成長したアオリイカの調理、試食など命を学ぶ機会としても活かされている。


▼ここで買えます
主婦の店 せぎやま店
尾鷲市瀬木山町11-57
☎0597-22-8361 営/9:00~21:00
※系列店はWebで確認 http://shufunomise.co.jp/
※内容は2024年10月10日時点の情報です。
尾鷲港の水揚げ風景













