富士山が育むおいしいお米。家族で守り続けた田園風景/遠藤博雄さん

しず畑
JAふじ伊豆 御殿場・小山エコ栽培米出荷組合 組合長

 富士山が間近にそびえる御殿場市・小山町エリアは、「ごてんばこしひかり」など県内有数の米の産地として知られる。冷涼な気候と昼夜の寒暖差、富士山の豊かな湧水が、甘味のある香り高い上質な米を育む。取材に訪れた9月中旬は稲刈りの最盛期。黄金色に染まる田んぼの中をコンバインが進む田園風景が広がっていた。

 数々のお米コンテストで入賞した小山町の遠藤博雄さんは、米農家の17代目。モットーは量より質。減農薬、減化学肥料のエコ栽培に努め、こだわりの米作りを続けてきた。中山間地という地形上、段々になっているので1枚ごとの田んぼ面積は平野部より小さい。作業の手間がかかるため、どの農家も田植えや稲刈りは家族総出で支えてきた。このエリアの田植えは気候条件から5月下旬が最適だったが、家族の勤め先の休みに合わせてGWシーズンに。そのため「柿の実が黄色くなる頃」だった稲刈りの時期も、8月下旬~9月中旬に前倒しになったそうだ。

 米農家は減少の一途を辿っている。「今使っている機械が壊れたら農業をやめるという人や、儲からないので継がせないという農家もあります」と遠藤さん。富士山を背景に広がるのどかな風景が変わらないことを願いたい。

 “令和の米騒動”では米がスーパーから姿を消したが、この秋の収穫量は昨年と同じくらいあるそうだ。ただ価格の上昇は否めない。肥料や燃料、機械の高騰化で大打撃を受け、おいしいお米を追求するほど赤字になるという。低すぎた米単価が要因に。「たとえ5kg3000円になったとしても、ごはん一杯40円なんです。コンビニおにぎりは一個120円、ラーメン一杯1000円です。お米は安すぎるなと感じます」と遠藤さん。消費者の理解が求められている。

▼こで買えます

ファーマーズ御殿場
御殿場市茱萸沢5
☎0550-81-1831
営/8:30~17:00 休/水曜、年始

※内容は2024年10月10日時点の情報です。

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